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産経新聞コラム④ 感覚障害 ヘルニア

  • 執筆者の写真: takashi maruyama
    takashi maruyama
  • 2 日前
  • 読了時間: 2分

 私は首と腰に椎間板ヘルニアをもっています。たぶん学生時代にやっていたアメリカンフットボールかラグビーが影響しているはず。この椎間板ヘルニアでは“感覚障害“に苦しめられます。


 人間は二足歩行になり、丸く重たい頭をS字に曲がった背骨で支えるようになりました。背骨の首部分では前に、胸では後ろに、腰で再び前に、3つのカーブをクッションとして、頭を背骨の上でバランスよく支えています。姿勢が悪くなると、どこかのカーブに負担がかかります。背骨の角が変形したり、骨の間のクッション(椎間板)が飛び出して神経を刺激してしまうのです。


 頻度が高いのは腰の椎間板ヘルニアです。お尻から太ももの裏のムズムズ感からはじまり、骨の芯がジンジンするような痛さが広がります。虫歯の治療での麻酔の注射や、正座した後に足の感覚がなくなった時を思い出してください。表在知覚、すなわち皮膚の浅いところの感覚が鈍くなり、ときにピリピリと感じます。正座で足がしびれたときに、急に立ち上がると膝カックンになってしまいます。深部知覚、すなわち膝や足首がどう曲がっているのかが脳に伝わっていないためです。


 感覚をつかさどる脳のダメージのときに問題になるのは、この深部知覚障害です。体が滑らかな動きができるのは、“動け”の司令と“どう動いたか“の返戻があることで成り立っています。司令の結果が返ってこないと、どう動いているのかがわからず、動かせなくなってしまうのです。


 リハビリのコツは、動かしたい体の場所を目で見ながら、動いていることを想像することです。体が伝えきれない感覚を、視覚で補うわけです。返戻が伝わり始めると一気に改善が始まり、1ヶ月程度で歩けるほどに治ります。脳の活動は、いろいろな指令で足りないことを補いながら目的を達成していることの一例です。


 姿勢が悪いと将来腰痛や神経の痛みに悩まされます。悪くなる前に治すためには、背筋を伸ばし、良い姿勢を心がけることです。普段から姿勢が悪い方は、ぜひ歩く時の姿勢に気をつけてみてください。


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学会で訪れたバリ島の浜辺です。

コロナの後の学会で、久しぶりに訪れたリゾート

穏やかな気候とおおらかな空気を堪能したのでした。

 
 
 

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