頭痛の見分け方
頭痛の起こり方
頭痛が起こり始めてからひどい痛みになるまでのスピードが大事な判断の基準になります。
多くは、 頭痛の始まりから30分から1時問、長くても3時問で痛みはピークに達します。
このテンポで頭痛が悪化すると、たいていひどい頭痛として記憶に残ります。
半日ぐらいかけて緩やかに痛むような場合には、片頭痛ではなく緊張型頭痛を疑います。
逆に瞬間的に激しい頭痛が起きた場合には、くも膜下出血や脳動脈解離などの深刻な血管障害や、群発頭痛、RCVS(可逆性脳血管収縮症候群)を疑います。
頭痛が始まった時間
一日の中で、どの時間帯に頭痛が起きるかも鑑別に役にたちます。
スケジュール帳に、以下のどのあたりで頭痛が起きるのかを記しておくと、診察の時に役に立ちます。
目が覚めた時からの頭痛
午前中に多い頭痛
午後から起きる頭痛
夕方から夜に起きる頭痛
頭痛の場所やタイプ
頭痛の場所で多いのが、こめかみ、目の奥、後頭部、首から肩にかけて などです。
これに加えて、右側、左側、両側があります。
毎回同じような場所に起こる場合や、時と場合で場所やタイプが違う場合もあります。
また、狭い範囲に集中する痛みの場合と、広い範囲の痛み などの表現があります。
痛みのタイプとしては
ズキンズキンと心臓の拍動のように脈打つような痛み
キリでぐりぐりと押されているような痛み
ズーンと重い圧迫されるような痛み
ハチマキで締め付けられているような痛み
などと表現される場合が多いです。
頭痛の診察のときには、これらの項目を聞きながらどのタイプの頭痛なのかを考えます。
たとえば、
緊張型頭痛は時間や日によって変動するものの、なかなかスッキリしないのが特徴です。
日々の生活の中で生じるストレスは緊張型頭痛の誘因ですが、これをゼロにすることはできません。
精神的ストレス以外に、血圧、気圧、月経、匂いといった身体的ストレスも原因です。
痛みそのものもストレスなので、鎮痛薬を飲むことを我慢するとさらに頭痛が蓄積してしまいます。
頭痛の特効薬でもあるトリプタンは、頭痛の始まりに使う薬で、内服するタイミングが重要ですから、発作の始まりを把握するのはとても大事です。